お知らせ
2025年5月15日
お知らせ
東海大学医学部長 大上からのご挨拶

令和7年4月より、東海大学医学部長を拝命しています大上研二(おおかみ けんじ)と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
平素より本学の医学教育に深いご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

まず初めに、制限に献体をご登録いただきました皆様、そして現在、医学教育のためにご遺体をお預かりしておりますご遺族の皆様に、深甚なる感謝と経緯を申し上げます。医学部で学ぶ学生たちが、将来の医療を担う医師へと成長するうえで、人体解剖学の学修は欠かすことのできない重要な礎であります。その貴重な学びの機会を与えてくださっているのは、まさに皆様のご厚志によるものでございます。

現代の医学は目覚ましい発展を遂げ、診断や治療に用いられる技術や手法も日々進化しております。しかし、いかに時代が進もうとも、医師にとって「人体の構造を深く理解すること」は、どのような専門分野に進むにしても、根幹をなす知識であります。その意味で、解剖学の教育はすべての医学教育の原点であり、医師の養成において不可欠な学問と申せましょう。

本学では、解剖実習を通じて、学生たちが人体の精妙な構造を正確に理解するとともに、献体された方々の生きた証に触れ、生命の尊厳や生死観についても深く学ぶことができるよう、指導を徹底しております。実習の初日には、教員と学生が心を一つにして黙祷を捧げ、実習期間中も常に感謝の心を忘れずに取り組むよう指導しております。また、毎年「解剖慰霊祭」を厳粛に執り行い、学生一人ひとりが実習を通して得た学びと感謝の思いを、ご献体くださった方々へお伝えしております。申すまでもなくご献体は単なる「学習資料」などでは決してなく、一人の尊い命と人生の重みを持った存在であり、学生たちにとっては文字通り「最初の恩師」として記憶に残る大切な存在となっています。ご遺族の皆様には、最愛のご家族を医学教育のためにご提供くださったそのご決断の重さに、あらためて深く敬意を表し、心より感謝申し上げます。昨今マスコミを騒がせたようなご献体に対する礼を欠くようなことが決して無いよう、学生には厳しく指導を行いますことを申し添えます。

今後も東海大学医学部では、故人のご厚志に報いるべく、解剖学教育の質をさらに高め、思いやりと倫理観を兼ね備えた医師の育成に力を尽くしてまいります。そして、医学・医療の発展と、人々の健康と福祉の向上に寄与できますよう、一層の努力を重ねてまいります。

末筆ながら、ご登録者の皆様、ご遺族の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げますとともに、今後とも本学医学教育へのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和7年 5月
東海大学医学部長 大上 研二

献体のお申し込み・お問合せは
こちらからお願いいたします
電話 0463-93-1121 0463-93-1121
 (内2500)
平日9:00-17:00
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