お知らせ
2020年10月25日
活動報告
【2020年 解剖学実習開講 会員様代表のご挨拶】献体するに当たって

会員番号二〇〇七 岡野佑子

ここ東海大学病院は私にとりまして、忘れがたい懐かしい場所でございます。
と申しますのは、今から四十年前、当院に看護師として勤務しておりました。

昭和五十年に開院し、四年目に働きはじめました。その後、大磯にも付属病院が開設され、そこに異動し、通算十四年間この東海大学病院で働きました。

献体ということは、一般にはあまり知られていませんし、理解されていませんでしたが、私にとりましては、とても身近なことでした。
幾人もの患者様をお見送りし、鎮魂の意味でも、そして医学の発展のためにも、役立ちたいと思い、決心しました。
兄姉達が承諾書になかなかサインしてくれず、子供達は涙ぐんでおりました。

私の叔母は教師をしておりましたが、この世に生まれてきたからには何か証を、そして人の役に立ちたいと前々から献体を希望し、事あるごとに献体を誇りとしておりました。亡くなった今、叔母の仏壇の横には大学からの『感謝状」が供えられ、誇らしげな叔母の顔が浮かびます。

そしてその娘も献体を登録し献体することで、一人暮らしの彼女は安心と言っています。
形式的なお通夜・葬儀など要らないと言っています。私も同感です。

最も親しい友人も献体登録していることを知りました。
ご主人様が、東海大学病院で入退院を数十年繰り返し、お世話になった恩返しとのこと。潔いお心に胸を打たれました。

近所の知人は、御主人様が献体されたので、当然のように奥様も登録されたとのことでした。

こうして今は、献体は自己決定する時代ですが、私が国立病院勤務時は、官費(入院費無料)で入院している方々が献体ということになっていました。

私は半世紀以上医療に携わってきて、最後に献体という形で医療に役立つことを喜びに感じています。
私は今、八十七歳、いまだ現役です。皆さまのお役に立てる日も近いかと思っています。
コロナに感染しないように、事故に遭わないように気をつけています。

皆さま、どうぞ技術もさることながら患者様の魂にも寄り添えるようなお医者様になってくださいませ。

松前重義総長がよく言われていた言葉『人格を練け』は今も私の耳の奥に 共鳴し続けています。

令和二年十月 解剖学実習開講の会員様代表のご挨拶 松前記念講堂にて

献体のお申し込み・お問合せは
こちらからお願いいたします
電話 0463-93-1121 0463-93-1121
 (内2500)
平日9:00-17:00
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