お知らせ
2011年12月10日
お知らせ
【献体事務室便り】献体に結ばれた絆

あの日から約九ヶ月、まだまだ復興と言うには程遠い二〇一一年の年の瀬です。
かの大惨事に言葉を失うような1年でしたが、日頃から篤志家の皆さまにボランティア精神を学んでいる私達も微力ながら被災地でお手伝いすることができました。そこで遭遇した嬉しいお話しを是非、皆様にお伝えしたいと思います。

十一月下旬、八度目の被災地にもかかわらず少しも変わらぬ情景に憤る車中で、ボランティア仲間の方から「知人のお宅の仏壇に東海大学医学部と書かれた封筒があったわよ。お父様が東海大学に献体されたんですって・・・」「はっ?・・・」お名前を伺うと確かにご遺族のお顔が浮かんできました。
同じ県内とは言え、世の中は狭いものだなあと思いながらそっと手を合わせました。

この日は初冬の東北とは思えないほど、柔らかな日差しが降り注ぎ、暖かい空気に包まれていました。好天と言うこともあって長蛇の列に和やかに待つ被災者の方々に毎度ながら敬服していました。

炊き出しもそろそろ終了しかかった頃、仮設住宅の横で、瓦礫撤去のお手伝いに来ていた富山県の消防団の方がふらりとやってみえました。「神奈川県の文字が見えたので懐かしさに吸い付けられるように足が向いてしまいました。五年前まで神奈川県内の福祉施設で働いており、その時お世話になった園長先生が素晴らしい方だったのです。しかし昨年亡くなられ、東海大学に献体されたのです・・・最後まで人のために・・・私もその精神を少しでも汲みたいと思い、今日ここに来ています」

「こんなことがあるのかしら?」一瞬、我が耳を疑いました。
同じ日に二度も東北の被災地で『献体に結ばれた絆』に遭遇する・・・
不思議なご縁と思いながら確信しました。

篤志家のみなさまなら有り得る・・・
震災から1ヶ月、この大惨事にいち早く、会員様ご遺族様から支援のお申し出を頂き、一トン半のトラックいっぱいに皆様からお預かりした救援物資を積んで福島・宮城県の両被災地へお届けに参りました。

この度の大災害に海外からも称えられた日本人の『誇りと絆』 
『平泉』同様、本学の献体運動の無形文化財として大切にしてゆきたいと思います。

末筆になりましたが、同封致しました折鶴は八十一歳になられます会員様が1つ1つ、心を込めて折って届けてくださいました。
新しい年には穏やかな風が吹き、皆様のもとに心地良くこの折鶴が舞い降りることができますようお祈り申し上げております。

二〇一一年 羽子板市立つ頃

東海大学医学部献体担当
遠藤 京子

南三陸町で子供に聴診器をあてる坂部教

二本松市役所へ救援物資を届ける遠藤

石巻市で炊き出しの準備をする小瀬村枝

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電話 0463-93-1121 0463-93-1121
 (内2500)
平日9:00-17:00
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